ふがいない投球に「鬼の福良」が顔をのぞかせた。オリックスは今季6度目の完封負け。先発の西に対する福良監督の言葉は明らかに怒気を含んでいた。

 「失点というか、腕が振れていなかった。かわそう、かわそうとしすぎていた。前半のような投球をしていたらね。ありえない」

 2回に犠飛で先制されると、3回は松田に右越え3ランを被弾。監督は「勝負にいったボールじゃないから」と語気を強めた。打線には重くのしかかる4失点となってしまった。

 西は4回以降はゼロを並べ、144球で3年ぶりの完投負け。「ちゃんと中8日で調整してきているんだから。責任を持って投げてもらわないと」。指揮官が最後まで続投を命じたのは、さらなる成長を期待するがゆえの愛のむちだった。

 「前半ああいう投球だったので(完投は)義務だと思う。次は前半からいい投球をしたい」と西は肩を落とした。前回登板で白星のデーゲームは今季3勝0敗ながら、ナイターは0勝4敗となってしまった。

 チームの連勝は3で止まり、借金は再び4に。指揮官が目標に掲げた球宴までの完済には、残り7試合で6勝1敗が必要となった。【大池和幸】