阪神、かかってこいや！　広島が効果的な３本塁打で加点して３連勝とした。絶好調の４番松山竜平外野手（３１）が２回に同点１０号ソロ。さらにプロ１１年目の広島会沢翼捕手（２９）が勝ち越し２ラン＆ダメ押しソロと、自身初の１試合２本塁打をマークした。神宮球場での今季最終カードを３連勝で締め、貯金は今季最多タイの２９。火曜日からの２位阪神との本拠地３連戦にはずみをつけた。

　真っ赤に染まった神宮球場が大歓声に包まれた。先制された直後の２回、先頭で４番松山が山中の外角低め直球をとらえた。右翼スタンド中段まで運ぶ同点１０号ソロ。さらに１死一塁から会沢が高めスライダーを左翼ポール際にたたき込み、４号２ランで勝ち越した。広島ファンはスタンディングオベーション。一気に赤ヘルムード一色となった。

　６回にも、先頭で打席に入った会沢がまた見せた。今度は左翼スタンド中段に自身初となる１試合２本目の５号ソロ。先発マスクをかぶり、２年目岡田をリードしたプロ１１年目捕手は「いつも通り後ろにつなぐ意識だった。（本塁打は）たまたまですけどね。もちろん、チームが勝ったことがうれしいし、先発に勝ちがついたことがすごくうれしい」と白い歯をこぼした。

　前回、山中と対戦した８月２０日には６回４安打１失点と抑えられた。この日、試合前の打撃練習では石井打撃コーチが、山中対策として下手投げで打撃投手を務めた。初めてのことではないが、予習はバッチリ。天敵から７点を奪い、４回途中でマウンドから引きずり降ろした。

　３日連続で縁起を担いだ。試合前の円陣で、菊池に手渡されたヤクルトを一気飲みした松山は「何とかして打ちたかった。（石井）琢朗さんのおかげです」と感謝。緒方監督から「マツコ」と呼ばれる４番の不思議な“ヤクルトパワー”も相まって、チームを勝利に導いた。

　緒方監督は「相手どうのこうのよりも、１試合１試合を。我々の野球をやっていくだけ」と冷静に口にした。チーム一丸となり、ヤクルト３連戦を３連勝で勝ちきった。東京ドームで２連敗した嫌な空気はどこかへ消え去った。

　明日５日からは本拠地マツダスタジアムで２位阪神と直接対決。迎え撃ち、たたきのめすだけだ。【宮崎えり子】