5位に低迷する中日が異例の人事に着手した。4日、1軍の友利結投手コーチ(49)が今日5日の巨人戦(松本)からコーチ登録を外れ、編成部所属になると発表した。1軍は近藤真市コーチ(48)がブルペン、2軍担当だった朝倉健太コーチ(36)がベンチ担当を担う。

 中日は森監督の人脈と能力に長年頼り切ってきたツケが回ってきたといえる。昨秋、監督に就任した森監督が託された重要ミッションの1つが編成部国際渉外部門の確立だった。

 04年から落合監督、森投手コーチ(現監督)体制になり、ドミニカ共和国などに独自ルートを持っている森コーチが外国人の獲得業務を一任された。一方で、国際渉外部門は形骸化した。米球界とのパイプも乏しくなった。落合氏をGMに置いていた14~16年の間も変わらなかった。他球団と同じような編成部門の確立を迫られていた。

 米球界に明るい友利投手コーチを今年から専属の編成担当とする案もあったが、時間も状況も整わなかった。大塚投手コーチをパドレスに派遣し、選手調査とコーチ修業を兼務させているが「手助けが必要」(森監督)という現状だ。

 ユニホーム組が編成を兼ねる体制は限界に来ている。森監督だけに頼るのではなく、球団主導で編成できる形が必要になっている。実質GMを兼ねている森監督は、自身が退いた後も残る体制を整えようと動いている。【中日担当=柏原誠】