マッハの活躍でCS突破だ! 阪神糸井嘉男外野手(36)が4日、14日開幕のDeNAとのファーストステージ(甲子園)、さらには18日からの広島とのファイナルステージの必勝を期し、糸井ワールド全開で決意を明かした。甲子園で全体練習に参加。CSへの覚悟を聞かれ「頑張ります」とひと言。続けて「9秒97!」と謎の数字を言い残した。そのココロは…。

 「9秒97!」。糸井のそのひと言に一瞬、その場が固まった。聞いていた人の頭に、?マークがいくつも浮かぶ。「頑張ります!」という宣言に続いた不可解な数字…。何かの暗号? いや、違う。これは超人流の決意の表れだった。

 伏線がある。糸井は以前から、陸上短距離界に興味を抱いていた。特に群雄割拠の男子100メートルに注目。9月には、日本人初の9秒台となる桐生祥秀(21=東洋大)が記録した9秒98に刺激を受けていた。「9秒97」発言は、下克上日本一に向けて自身を鼓舞する意味が込められている、はずだ。

 実は「逆CS男」だ。日本ハム、オリックス時代を含めて5度CSに出場しているが、通算で60打数10安打、打率1割6分7厘と苦しんでいる。同3割1分7厘と打ちまくっている日本シリーズとは違い、なぜか数字が残せていない。

 ただ、今回のCSは初めてセ・リーグで迎えるだけに気分は違う。しかも、ファーストステージの相手DeNAとの今季対戦成績は打率3割4分7厘、3本塁打、15打点と打ちまくっている。ファイナルステージで待ち受ける王者広島にも、打率2割9分7厘をマーク。CSでも3番打者として中軸を担う背番号7が攻撃のキーを握る。

 今日5日からの中日2連戦(甲子園)でレギュラーシーズンの143試合が終了する。タテジマ1年目の今季はここまで112試合に出場して打率2割9分2厘を記録。2試合で9打数6安打以上の猛スパートをかければ、大台の打率3割にも乗る。右脇腹痛で1カ月の離脱があったにもかかわらず、この数字。打って走って暴れ回る。超人が桐生級の大活躍で、チームを日本シリーズに導く意気込みだ。【桝井聡】