4番筒香でファイナルまで勝ち上がる。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ阪神戦で、DeNA筒香嘉智外野手(25)が、4番に入る。リーグ戦ラスト5試合から復帰した“定位置”での起用を、ラミレス監督が明言した。敵地では今季最多4本のアーチを描いている甲子園。心身ともに「バッチリです」と準備万全を宣言し、2年連続のファイナル進出を目指す。

 最後の最後まで、練習風景を見守った。筒香は、全体練習を終えた仲間たちが、引き揚げるまで外野から動かなかった。いつも以上にダッシュ、キャッチボールを多めに仕上げながら、続々とロッカー室に戻る姿を見届けた。「思っている通り進まないこともあると思う。1試合目、2試合目、3試合目と戦っていく中で、個人じゃなくて、全員で勝てるようにしないといけない」。一緒に戦う全員を見守り最後1人になってから、足早に引き揚げた。

 敵地・甲子園で阪神を相手に2勝しなければいけない。そのための戦闘態勢が整っているのか。主将の役割として、前日練習から見届けた。2年連続のCS。それは「技術より体のコンディション。試合でいい動きをできるようにしないといけない」と言い切る。全員が、積み上げてきたものを100%出し切るための準備ができているのか。筒香は「バッチリです」と宣言し、主砲として定位置に入る。

 リーグ戦では、ラスト5試合から68試合ぶりに4番へ復帰した。ラストスパートの起爆剤となってチームは4勝1敗。ラミレス監督は「筒香4番でCSを決めた。そこには強い気持ちで、引き続き筒香4番でいく」と明言。その勢いのまま阪神に挑む。4番筒香にはホームランがよく似合う。実際に本塁打は5試合で3本で「監督の期待に応えたい。チームが勝つことに貢献したい。勝てれば何でもいい」と、とにかく勝つことにこだわる。 フリー打撃では、柵越え1本にとどまったが、甲子園は今季ビジターで最多4本打っている場所。相性はいい。決戦前夜には昨年同様、決起集会を開き士気を高めた。「緊張感はあると思う。その中でいつも通りのプレーができたらいい」。独特の雰囲気の中で平常心を強調し、全員で虎にぶつかっていく。【栗田成芳】