阪神原口が「野手MVP」の成長を逆襲への足がかりにする。29日のみやざきフェニックス・リーグのサムスン戦(ひむか)は雨天中止に。2位巨人も台風22号の影響で中止になり、勝率がタイに持ち込めなくなり、10年ぶり2度目の“優勝”が確定した。浜中2軍打撃コーチは最も成長した選手に原口の名を挙げ「目の色が違った。アップから全力だったし、打撃でも必死だった」と評価した。

 ここまで練習試合を含めて11試合に出場。32打数12安打で打率3割7分5厘、2本塁打。スイングの軌道修正や始動を早めることに重点的に取り組んでおり、原口は「いいスイングができている」と振り返る。

 悔しい1年を過ごした。開幕スタメンスタートも、8月に2軍落ち。追い打ちをかけるように脇腹を痛めてCSメンバー入りを逃した。「もう1回考え直してフェニックスで取り組めている」。昨季は4月に支配下登録をされると5月には月間MVPを受賞。さらに監督推薦で球宴に選出されるなどシンデレラボーイとして脚光を浴びた男は今、土台を作り直している真っ最中だ。

 今日30日の楽天戦がフェニックス・リーグ最終戦。11月2日から秋季キャンプが始まる。「いい結果が出ている。今後につなげていけたら」。逆襲へ牙を研いでいる。【山川智之】