今季途中から日本ハムで通訳を務めたラファエル・フェルナンデス氏(31)がトライアウトに臨んだ。「ヤクルトと(独立リーグ)愛媛のユニホームはブラジルに持ち帰ったため」とブラジル代表のユニホームでマウンドに上がった。

 先頭の西武田代には内角への134キロ直球を右翼フェンス手前まで大きな飛球を打たれた。だがその後は落ち着いてストライク先行の投球。後続を三振、三飛、三直に仕留めた。「結果は別としてストライク先行で強いストレートも投げられた」と振り返った。

 同氏は09年育成ドラフト1位でヤクルトに入団し、11年に支配下登録された元プロ野球選手。12年にはプロ初勝利を挙げたが、13年オフに戦力外。現状は裏方として支える側になったが、NPB復帰の夢は、諦めていなかった。

 シーズン中は通訳の業務の合間に、ひそかにトレーニングを継続した。トライアウトに向けては、ともに参加した日本ハム宇佐美と練習を積んだ。「あとはスカウト次第です。自分の中で悔いはないです」と晴れ晴れとした表情だった。