阪神北條史也内野手(23)は9日、母校の先輩から辛口エールを送られた。巨人坂本勇人内野手(28)と西武秋山翔吾外野手(29)の3人で茨城・高萩市内で行われた野球教室とトークショーに参加。北條だけジャージー姿という失態に光星学院(現八戸学院光星)の6学年先輩坂本勇からダメ出しを食らってしまった。もちろん、愛情の裏返し。「レギュラーを取ってほしい」と来季のGT開幕戦で遊撃として競演を熱望された。

 ユニホーム姿の西武秋山、巨人坂本勇、そしてジャージーの北條…。野球教室を待ちに待った106人の野球少年少女の前で1人だけ違う格好の北條は、光星学院の先輩、坂本勇にいじり倒されてしまった。

 坂本勇 ジャージーで来るくらいだからね。(考えるべきところは)そういうところ。

 北條はユニホーム着用を知らなかったと弁明。トークショーでも「恥ずかしい。今すぐにでも帰りたい」「マネジャーです」とタジタジ。“公開ざんげ”に会場からは笑いが湧き起こった。

 先輩は口撃の手を緩めてくれない。オフの過ごし方について話が及ぶと、坂本勇は映画観賞と回答。一方で北條は「目覚ましをかけずに寝る。自然と起きたときが気持ちいいんで」。すると先輩はすかさず「目覚ましをセットして朝からトレーニングしたらいいですよね。2軍なんやからそういう場合ではないですね」とチクリ。強烈な返しを食らってしまった。

 もちろん、北條も遊撃のポジション奪取に向け、背水の思いだ。前夜は坂本勇、秋山と会食。今季結果を残せずレギュラーの座を射止めるどころか2軍落ちを経験した北條にとって、貴重な場を生かさない手はない。「左は左打者の考え方があって、右も違うところあれば一緒のところもあった」。しっかりと両リーグを代表するコンビから打撃論を吸収した。

 先輩の厳しい言葉は、愛情の裏返しでもある。

 坂本勇 かわいい後輩なんで。レギュラーを取ってほしい。

 来年3月30日のシーズン開幕戦は敵地東京ドームでの巨人戦。北條は言う。「坂本さんと(東京で)ご飯に行きたいですし、そのためにも1軍にいられるように、試合に出られるように死ぬ気で頑張ります」。先輩と同じ開幕スタメンに名を連ね、チームにとって18年初勝利を奪い合いたいところだ。【山川智之】