ソフトバンクのドラフト2位高橋礼投手(22=専大)が大学卒業とキャンプA組スタートの「ダブル合格作戦」に挑む。新人合同自主トレが休日だった19日、休日返上で練習し「文武両道」の多忙な生活を明かした。

 ひっそりとした福岡・筑後市のファーム施設で黙々と投げ込むサブマリンの姿があった。16日から前日まで、大学出席のため新人合同自主トレを休んでおり「他の人たちが結構きつかったと言っていたので、差を少しでも埋めないと」と休日返上。じっくりとフォームを確かめながらネットスローなど、新人ではただ1人、室内練習場で体を動かした。

 専大の商学部マーケティング学科に属する高橋礼は、昨秋の時点で残り単位は「18」だった。「今取っている授業の単位をすべて取れれば大丈夫」と順調に消化し、卒業まで22、26日に試験を残すのみとなった。2週間足らずで大学のある神奈川と福岡を3往復という強行日程だが「練習するしかない。なるべく時間を使って動きたい」とほぼ休みなしで野球と勉強を両立。これまでも、寮の自室に教科書などを持ち込み自主トレ後にテスト勉強を重ねており卒業試験へ準備は万端だ。

 もう1つ、重要な“試験”を控える。次クールには新人合同自主トレを工藤監督が視察予定で「いいところを見せたい」と意気込む。御前でのブルペン入りも計画しており「開幕1軍に照準を合わせてやることが大事」。まずはキャンプA組スタートへアピールするつもりだ。多忙な日々を乗り越え、ダブルの合格通知を勝ち取る。【山本大地】