中日小笠原慎之介投手(20)が球団最年少の開幕投手をたぐり寄せた。阪神戦に先発し、7回無失点。出した走者は初回と4回の単打と6回の四球だけ。うち2回は併殺で片付けた。「結果にこだわって投げたのでよかった。今日は直球の強さと変化球を低めに投げることを意識した。もう少し立ち上がりの球数を減らせればいいかと」。24球を要した初回以降は力のない打球が次々と前に飛んだ。

 3回は北條、上本の外角にチェンジアップを決めて空振り三振。右打者8人の阪神打線にクロスファイアと抜き球が効いた。7回で88球。降板後もブルペンで“おかわり”する余力があった。3日の教育リーグ広島戦では5失点したが、あえて直球中心に投げ込んだため参考外。結果を求められた登板で満額回答だ。

 開幕投手候補不在を嘆いていた森監督の表情も緩んだ。「何を言わせようとしてるんだよ。教えないよ。思ったようにお書きになればいいんじゃない? 結果出しているのが(柳と)2人しかいないんだから」。明言しなかったが、3年目左腕が最有力候補に浮上した可能性は高い。

 3月30日の開幕広島戦を20歳5カ月で迎え、先発なら球団最年少記録となる。開幕日と同じ金曜日の登板を重ねれば16日のウエスタン・リーグ広島戦、23日のロッテ戦と続く。「まだ1試合。積み重ねて開幕投手に指名されるように頑張りたい」。小笠原が開幕投手へのレールに乗った。【柏原誠】