ソフトバンク田中正義投手(23)が開幕1軍入りへ、また1歩前進した。11日のロッテ戦で1回を無安打0封。これでオープン戦3試合連続無失点で、紅白戦、練習試合も合わせると5試合連続で失点していない。2年目のドラ1右腕は投げるたびに成長し、アピールを続けている。

 「ピッチャー、田中」。アナウンスでコールされると、落ち着いた表情でマウンドに上がった。中継ぎという新たな持ち場もだんだん板についてきた。ドミンゲス、菅野をポンポンと打ち取り2死。三木には四球を与えたが、最後は江村を遊ゴロに仕留めて1イニングを片付けた。

 田中は「ちょっとずつ階段を上がるじゃないですけど、前に進んでるとは思っている。1回1回のマウンドですべてを出し切ることを繰り返していくしかない。ずっと1軍にいながら成長したい」。キャンプ中よりも少し自信をたたえた表情で投球を振り返った。

 好投を続けたことで、開幕1軍入りが現実味を帯びてきた。7人の1軍中継ぎ枠に対し、サファテ、岩崎、モイネロ、森が当確。嘉弥真も有力で、現在先発ローテを争う中田、石川が中継ぎに回る可能性もあるが、残る2枠を田中らが争っている。現在1軍には中継ぎとして加治屋、飯田、笠谷、育成野沢が同行。オープン戦の成績では3試合4回無失点と、田中がわずかにリードしている。これまでは田中に対し辛口であったり、成長を見守るようなコメントだった工藤監督も「しっかり評価したいと思います」と前向きなとらえ方に変化。田中は着実にステップアップを続けている。【山本大地】