菅野打って開幕G倒や!! 阪神金本知憲監督(49)が19日、横浜市内で催されたセ・リーグのイベント「ファンミーティング」に出席し、30日の開幕巨人戦(東京ドーム)で対戦する菅野攻略のキーマンに左打者を指名した。主力の福留、糸井のアーチを期待し、遊撃に2年目糸原を抜てきすることを明言。昨季4試合で2勝を献上した難敵に大技小技で立ち向かう。

 約3000人のプロ野球ファンの前で、力強く誓った。壇上の金本監督は30日からの開幕カードを争う巨人高橋監督に、まず“先制パンチ”だ。「菅野投手、うちのチーム、なかなか打てないんですけど、何とか開幕戦で打ち崩して、はずみをつけたいと思います」と言い切ると、敵将も応酬。「メッセンジャーということで、本当にタフな投手ですけど、本当に粘り強く。あと、先発の菅野を信じて戦いたい」と返された。

 金本体制3年目の開幕が刻一刻と迫ってきた。その前哨戦で火花を散らした形だ。指揮官はステージで「ここだけに負けたくないチーム」を問われ、にやり。「いまはファンを代表しましてジャイアンツですね」と言った。幸先よく滑り出すためにも、大切な3連戦。特に開幕投手は難攻不落の菅野で一筋縄でいかないが、攻略法を思い描いた。

 「東京ドームなので、ホームランも甲子園より出やすい。菅野を打つには、やはり左バッターがポイントになるかなと。福留、糸井あたりが1発、放り込んでくれたら面白いなと思う」

 昨季は菅野との4戦で2勝を献上し、勝ったのは1度だけ。完封負けなど防御率1・74に封じられた。難敵打破のキーマンには左打者を挙げた。糸井は昨季、東京ドームで打率2割5分、2本塁打にとどまったが、今季は17日中日戦(ナゴヤドーム)で圧倒的なパワーで左中間に今季初アーチを放つなど、期待十分だ。福留も敵地で2本塁打止まりだが、打率3割9分5厘と好相性。指揮官は大技を心待ちにする。

 同じ左打者の2年目糸原への信頼も口にした。この日、指揮官は糸原が開幕遊撃であることを明かし「右打ちとかバントとか、できる選手。細かい小技ができる選手が、うちのスタメンに少ない。どちらかいえば小技の方に専念してもらう可能性の方が高い」と話した。スイングの速さはチーム屈指で、長打力の評価も高いが、ヒットエンドラン、バントなどを駆使する2番として起用する構想だ。

 昨季も10勝13敗2分けで負け越すなど、巨人戦では07年を最後に、10年連続で勝ち越せていない。金本監督は開幕カードについて「まず勝ち越しを目指す」と言う。伝統の一戦を制すためにも、左打者の大技小技で波状攻撃を仕掛ける。【酒井俊作】