日本ハム救援陣5人の無失点継投が逆転勝ちを引き寄せた。右尺側手根屈筋(前腕内側)筋挫傷で開幕前から離脱していた鍵谷陽平投手(27)が、今季初昇格で即登板。西武山川、栗山、外崎の主力3人をピシャリと封じた。昨季はチーム最多の60試合に登板。オリックスにFA移籍した増井に代わる新守護神候補でもあった男が戦列に加わり、交流戦前にブルペンも厚みが増した。

 勝利を引き寄せたリリーフ陣の中で、“新顔”が存在感を光らせた。右前腕内側の故障で出遅れていた鍵谷が、今季初登板で「山賊打線」を手玉に取った。出番は2点を追う7回。西武栗山からフォークで空振り三振を奪うなど、山川、外崎を含めた中軸を3人でピシャリと抑えた。「こういうゲームをしっかり逆転で勝ったのはチームとして大きい。みんなでしっかりつないでいけた結果が勝ちにつながったかなと思います」。最速は149キロをマーク。公文、石川直、トンキン、西村の無失点リレーに加わり、充実感を漂わせた。

 昨季はチーム最多60試合に登板。オフに増井が移籍し、開幕前は守護神候補に挙がっていた。だが3月に故障が判明し、シーズン約2カ月を棒に振った。その間、石川直や西村ら若手の“奮投”ぶりを見て「若いピッチャーが開幕からすごい頑張って、いろんな経験をしてきたから今、チームがこの位置にいる」と頼もしく感じたという。

 ここからは自分が若手たちを引っ張る番。鍵谷は今後の起用法にはこだわらず「交流戦にも入って中継ぎに負担がかかる場面も増えてくる。行けと言われたところで良いパフォーマンスができるようにしっかり準備したい」。盤石の継投とは対照的に、相手の西武は守護神増田が2日連続2イニング登板。最後は明らかに球威も落ち、連日の敗戦投手となった。夏場以降、ブルペンが豊富なチームが圧倒的に有利。このままいけば日本ハム2年ぶり優勝の可能性も、より現実味を帯びてくる。【千葉修宏】