パ・リーグの6月から目が離せない。4月に強烈な開幕ダッシュを決めた西武が5月に入り失速。Bクラスのオリックス、ロッテが健闘し、首位から5位までのゲーム差が近年になく圧縮されている。5月に何が起こり、6月をどう戦うのか。担当記者が分析した。

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 開幕から低空飛行を続けていたオリックスが、4月28日からのゴールデンウイークを境に上昇に転じた。ソフトバンク、西武、ソフトバンクと続いた9連戦を3カード連続勝ち越しの6勝3敗。苦戦が予想された上位チームの勢いを止め、混パの一因を作り出した。

 同じタイミングで1軍に昇格してきたのが高卒2年目の山本由伸投手(19)だ。5月1日西武戦(京セラドーム)では3連投の守護神増井に代わって9回に登板。山川、メヒアら主軸を封じてプロ初セーブを挙げた。

 キャンプから投手整備を進めてきたのは、3年ぶりにオリックスへ復帰した高山投手コーチだ。開幕直前までローテ争いを演じた山本を「適性を見る」と2軍で中継ぎ登板させて、4月24日に1軍に招集。7回黒木、8回山本、9回増井の勝利の方程式が確立した。

 福良監督は「投手は頑張ってくれている」と信頼を寄せる。金子、西、山岡、ディクソンになかなか白星が付かない状況に変わりはないが、大崩れすることはない。新加入のアルバース、田嶋も開幕から順調に勝ち星を積み重ねる。さらに中継ぎの役割分担がハッキリしたことで、好循環が生まれている。【桝井聡】