日本ハムはDeNA(横浜スタジアム)に3-6で3連敗。中田翔内野手(29)の中犠飛で1点を先制したが、2回DeNAの主砲、筒香嘉智外野手(26)の二塁打を起点に追い付かれ、3回に筒香の3ランで勝ち越された。激しい雨の中、強行した試合は、6回表降雨コールドゲームに。DeNA相手に06年以来12年ぶりの3連敗を喫し、交流戦での借金が1つできた。

 悔いの残る1球だった。同点で迎えた3回の場面だ。打席に立ったDeNAの4番筒香に対して、今季初マスクの黒羽根が構えたのは内角だった。「インコースで勝負したかったけど…」。昨季途中までDeNAに在籍。元チームメートの怖さは、痛いほど知っている。2回の第1打席でも左翼フェンス直撃の二塁打を許していた。注意を払ったつもりだったが、先発加藤が投じた直球は、真ん中に。勝ち越し3ランを浴び「勝負を少し急ぎすぎてしまった。高さは良かったけど、筒香のほうが上手でした」。打たれたのは、いずれも初球。雨で苦しむ左腕を、リード面で支えられなかった。

 黒羽根起用は、連敗脱出をもくろんだ栗山監督の勝負手だった。横浜市出身で日大藤沢高(神奈川)から05年ドラフトで横浜(現DeNA)入りした黒羽根にとって、横浜スタジアムは故郷のようなもの。この3連戦に合わせるように、8日に1軍に昇格した。指揮官は「相手チームのことをすごく知っている。(黒羽根と加藤が組んだ時の)データも相手にはない」と期待したが、思うようにはいかなかった。

 黒羽根は「せっかく使ってもらったのに、監督に申し訳ない」と、悔しさをにじませた。チームは開幕カード以来、今季2度目の3連敗。DeNA相手には12年ぶりの同一カード3連敗となり、交流戦は借金1となった。4度、計42分間の中断をへて、6回表に降雨コールドとなった荒れ試合。栗山監督は「雨のせいじゃなくて、監督の能力がないから負けるんだ。しっかりやります」。敵地6連戦は雨天中止に1勝4敗で終了。本拠地で巻き返しをはかる。【中島宙恵】