かつての場所に戻ってきた。阪神藤川が1点リードの9回、2三振を奪う力投で無失点。16年8月10日広島戦以来の約2年ぶりとなるセーブを挙げた。「まだ6月。後半になったら、もっとしんどい部分が出てくるので、しっかりやっていきます」。修羅場を熟知するからこそ冷静だった。

 以前はグラブの型を毎年改良していたが、昨年から同タイプのグラブを使用する。「しっくりきているからね」の言葉どおり、昨年は3勝負けなしで防御率2・22。今季も防御率1・83。グラブ表面には「不動心」の3文字、内部には家族の名前を刻む。

 そのラッキーアイテムに藤川を慕う同僚たちも倣う。新助っ人モレノは藤川の人柄、プレースタイルにほれ込み、春季キャンプ中に同じ型のグラブを注文。マテオとドリスも型取りをした。仲間から愛される救援陣のリーダーだ。

 金本監督は「球児を信じるしかないね。経験とボールをね」と笑った。今後もクローザー起用するのか? との問いに「だね。でも今日30球を超えたからな。ちょっと明日は様子見になるかも分からんけど」と話した。高橋聡、マテオがコンディション不良で、ドリスは高熱が続き不在。救援陣の窮地を藤川が救う。【真柴健】