阪神陽川が第103代の4番に座り、重圧に押しつぶされることなく結果を残した。練習開始前に伝えられ「いつも通りやろうと思ってました。打順に関係なく、自分のやることは一緒なので」と気を引き締めて臨んだ一戦。2回、4点を奪った後の2死満塁。ヤクルト先発寺島の内角143キロ直球をうまく流して右前へ2点打を放った。

 「チャンスでまわってきたので、どんな形でも(走者を)かえそうと意識してました。なんとか食らいついていこうと思って。結果が出てよかった」

 一挙6点を奪う打者一巡の猛攻のトリを飾った。開幕から全試合連続でスタメン出場していた糸井が、6月30日ヤクルト戦で死球を受けた影響で欠場。主将の福留も休養日。頼れるベテラン2人が不在で「飛車角落ち」だったが、存在感を示した。

 ここ5試合で計49得点を奪ったチームは2位タイに浮上。金本監督は「打線の上がり目あるんじゃないですかね」と全体の好調を認めた。陽川については「評価できるのは追い込まれてからのタイムリー。すごく増えているのでね。センターから逆方向を狙ったヒットとか。今日も逆方向に打った。そういうのは何か覚えたのかなとは思うね」。17日で27歳になる4番打者に期待を込め、熱っぽく語った。【真柴健】