来年も火の玉ストレート!! 阪神が、藤川球児投手(37)と来季の契約更新する方針であることが11日、分かった。日米20年目の今季は26試合に救援し、1勝1敗1セーブで防御率1・61と安定感抜群。6月16日楽天戦で守護神ドリス不在のピンチを救う、2年ぶりのセーブを挙げた。

 開幕から大車輪の働きを見せ、球団首脳も「全盛期に近い速球を投げている。若々しいし、ブルペンのまとめ役ですから」と評価。実力だけでなく、リーダーシップも発揮し、全幅の信頼を寄せる。昨オフに、推定年俸2億円の1年契約を結んでいたが、来年も単年での契約更新を基本線に、残留交渉を行う方向。阪神在籍通算18年となれば、福原忍と並び最長タイだ。

 今季は150キロ超の速球を連発し、全盛期の「火の玉ストレート」をほうふつさせる。契約更新の判断材料の1つが、なんと今季から導入されたトラックマン(高性能弾道測定器)のデータだという。球団関係者は「球の回転は12球団でもトップクラスです」と明かし、ハイスコアは首脳にも伝わっている。スピードガンに現れない、球質の良さをハイテク機器が示し、21日に38歳を迎えるベテランの充実ぶりを裏づけている。

 藤川も高いモチベーションを保ち、チームのために奮闘する。昨年12月の契約時には「どうしても防御率を1点台に戻したい」と話していた。前半戦を終えてNPB通算683試合に登板し、生涯防御率は2・00だ。悲願の“大台”突入も目前に控え、意気盛ん。衰える気配はなく、19年への期待も大きい。まずは後半戦の逆転優勝に献身する。

 ▼藤川が阪神に残留すれば、来季は球団在籍18年目。阪神の投手では、福原忍(99~16年)と並び最長となる。17年目の今季は、山本和行(72~88年)と並び2位だった。なお野手の最長は桧山進次郎の22年(92~13年)。