約2カ月ぶりに公式戦復帰した中日松坂大輔投手(37)が驚異の粘りを発揮し、4勝目を挙げた。2回、3回と1点ずつ与えたが、3回までに8残塁。「ゲームを作る」と宣言していた通り、苦しみながらも5回2失点の粘投でリードを守ってバトンを渡した。

 2回は2死から2安打と2四球で押し出し。1点を先制された。高橋の3ランで逆転した直後の3回も制球が甘くなり、1点をかえされた。それでも2回2死満塁はナバーロを右飛に打ち取った。3回2死満塁では左打者の糸原を外角スライダーの「バックドア」で見逃し三振にしとめ、ここも傷口を最小限に抑えた。

 5回の攻撃でも打席に立った。6回も続投と思われたが、野手を温存したいベンチの作戦で、次の回から佐藤にスイッチした。松坂は5回5安打2失点、94球の内容だった。

 6月8日ソフトバンク戦で3勝目を挙げて以来の公式戦。6月17日の西武戦(メットライフドーム)の試合直前に登板回避。「背筋の捻挫」と診断された。7月13日の球宴第1戦で復帰を果たしたが、スライダー、チェンジアップなどを封印したとはいえ1回5失点と乱調で、状態が心配されていた。

 この日は全球種を解禁。最速は140キロにとどまったが、途中からチェンジアップやカーブを交えるなど、捕手の松井雅と練った配球も光った。次第に調子を上げ、4回と5回は3人で片付けて“再復活”を印象付けた。