大阪桐蔭が、春夏連覇経験校同士の対決で、作新学院に競り勝った。走攻守でチームを引っ張ったのは今秋ドラフト1位候補の藤原恭大外野手と根尾昂内野手(ともに3年)。藤原はタイムリーと快足、根尾は2安打と美技で甲子園を沸かせ、プロのスカウトをあらためてうならせた。

 阪神が大阪桐蔭の「金の卵」に熱視線だ。和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー(55)、佐野仙好統括スカウト(66)ら、総勢11人が甲子園のバックネット裏に陣取って、ドラフト上位候補にリストアップする根尾昂内野手(3年)や藤原恭大外野手(3年)らの動きを徹底マークした。

 根尾は2安打を放ち、遊撃で好守も見せた。球団幹部は野球センスの高さを高評価。「投手もできるし、外野をやらせても面白い。ショートはまだ浅い。でも試合を重ねるたびにうまくなっていく。すごくいろいろな可能性がある。新庄みたいですね」と話した。将来性を高く買い、91年から00年まで在籍した俊足強打の新庄剛志氏になぞらえた。

 4番藤原は打力だけでなく、走力が光る。快足に球団幹部も「速いよ。いまのウチに入ってもトップクラス。10年くらいレギュラーを張れるんじゃないですか」と舌を巻いた。阪神は若手の成長ぶりなど、現有戦力の後半戦の状態やチーム成績なども加味してドラフト1位を最終判断する方針だ。根尾&藤原について「どこか1つ抜けているというより、3つが高いレベルでそろっている」と球団幹部。2人の名前が色濃く刻まれたのは間違いない。