ソフトバンクが7年ぶりの10連勝を逃した。11残塁の拙攻が響き、17日のオリックス戦から始まった白星街道は止まった。首位西武、3位日本ハムが勝った中で痛い1敗だ。それでも工藤監督は「1本が出る時もあれば、出ない時もある。負けた時はしっかり切り替えて、明日を見るということが大事」と前を向いた。

連勝中の“勝ちパターン”には持ち込みつつあった。9連勝中は8試合で2回までに先制、そのうち6試合が初回だった。この日も初回にグラシアルの犠飛で1点を先制。しかし後が続かない。8回まで毎回安打を放ちながらも、1点が遠い。6回途中から継投に持ち込み、勝機をうかがったが、ロッテに粘られた。同点で迎えた8回に4番手スアレスが田村に決勝のタイムリー二塁打を許してしまった。

連勝は止まったが、チームに重い雰囲気はない。工藤監督は試合のなかった前日27日に散髪し、さっぱりした姿で球場に現れた。「だいぶ伸びていたのでね。見栄えが悪いから」と験担ぎなどにこだわらず自然体だった。

接戦を落とした直後も、指揮官の表情に暗さはなかった。「常に、今日が終わったらしっかり切り替えて。今日の悔しさを明日のゲームで出せるように」と先を見た。3打数1安打の柳田は「なんとかしたかった。帰って素振りします」とバットを持ち帰った。ここから仕切り直して、西武の背中を追いかける。【山本大地】