日本ハムが首位西武との直接対決2連戦を連敗し、逆転優勝が絶望的になった。2戦とも山賊打線の圧倒的な攻撃力に屈し、残り15試合で首位とのゲーム差は今季最大の9・5に広がった。試合前にはブランドン・レアード内野手(31)が左脇腹の肉離れのため出場選手登録を抹消。今季中の復帰も微妙な情勢で、チームトップの26本塁打を誇る大砲を失ったままシーズン最終盤を戦うことが濃厚となった。

栗山監督は試合が終わると、歓喜に沸く敵地の情景を目に焼き付け、ベンチ裏へ引き揚げた。「野球ほど結果で語れるものはないが、本質を見誤ってはいけない。勝てないということはオレの考え方が根本的に間違っている。責任を感じています」。これまで通り、一切の言い訳はない。主力を欠いたチーム状況は別にして、首位西武に2連敗した事実だけ、心に刻んだ。

現有戦力の底力を、見せたかった。初回1死満塁。「5番三塁」でスタメン起用された横尾のバットは空を切った。空振り三振に終わり、結局この回は6番鶴岡の押し出し四球による1点のみ。勢いを欠く先制攻撃では、山賊打線の脅威から逃れられない。3回に先発堀が源田に逆転4号3ランを浴びて逆転を許すと、一方的な展開となった。

本来の「5番三塁」の主であるレアードは試合前に登録抹消された。前日18日の試合前練習中に違和感を訴えていた患部は、左脇腹の肉離れと診断された。重傷と軽症の間を示す「2度」の診断で、レギュラーシーズン中の復帰は絶望的。ポストシーズンも間に合うか微妙だ。栗山監督は「しょうがない。今いるメンバーで勝ちきるしかない」と臨んだ1戦だったが、結果は厳しかった。

首位西武とは今季最大の9・5ゲーム差となった。残りは、15試合しかない。直接対決は4試合を残すが、逆転優勝は奇跡と呼ぶ段階まで来た。2位ソフトバンクも勝利し、こちらも3差と今季最大。栗山監督は「誰よりも選手たちが悔しいんだ。悔しくなかったら、ウソだ。これを、どうやって次の力に変えていくかが大事だ」。日本一を目指すシーズンは、まだ終わっていない。【木下大輔】