日本ハムが日本一に輝いた16年以来、2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。

オリックス25回戦(京セラドーム大阪)は6回、栗山英樹監督(57)が今季主将に指名した中田翔内野手(29)の左前適時打などで2点を先行。投手陣もリードを守りきり、接戦を制した。直後にロッテが楽天に敗れたため、3位以上が確定。リーグ制覇の夢は消えたが、日本一への挑戦権は得た。総力を尽くして10月13日に開幕するCSファーストステージへ向かう。

キャプテン中田の一打が、Aクラス入りを力強く呼び込んだ。大田の先制二塁打の直後の6回2死二塁。「タイシ(大田)が打ってくれて流れが、こっちにあった」。痛烈な打球で三遊間を割った。2点目となる左前適時打。9回に1点差に迫られただけに、4番が生み出した追加点が大きかった。

試合前、尊敬する4番の先輩と顔を合わせ、背筋を伸ばした。この日、現役引退を発表したオリックス小谷野がスーツ姿で日本ハムベンチにあいさつに来ていた。「オレが4番を打つ前に日本ハムで4番を打っていた人。いろいろな相談もしたし、教えてくれた。かわいがってくれたしね。とにかく勝負強かった。本当に、すごかった」。

間近で見ていた4番の仕事ぶりを受け継いで、中田もここまで突っ走ってきた。「成長をさせてくれた。感謝をしている」という兄貴分の節目に立ち会った日でもあり、今季限りで退任する福良監督との最後の対戦でもあった。12年までヘッドコーチとして師事し、打撃のアドバイスを受けてきた恩人の前で、CS切符をたぐり寄せる一打。試合後には相手ベンチへ赴き、同監督と握手を交わした。「この先も、まだまだある。気を抜くことなくやる」と、気持ちは高まった。

2年ぶりにCSの舞台に立つ。栗山監督はAクラスを決めても笑顔はない。「そこ(CS)を目指しているわけじゃない。優勝がなくなった時点で日本一に向かっていく」と、見据えるのは頂点のみ。4試合連続で3得点以下の打線や、疲労が見える投手陣も、もう一踏ん張りが必要だ。「みんなで(調子を)上げていかないといけない。(CSから)急には上がらない」。シーズンは残り9試合。2位浮上=CS本拠地開催の可能性も残す。最後の大勝負へ、チーム全員で立ち向かっていく。【木下大輔】

▼日本ハムが2年ぶりのクライマックスシリーズ出場を決めた。栗山監督は就任7年で5度目のAクラス入り。リーグ制覇した12年、16年はともに日本シリーズまで進出し、16年は日本一。3位だった14年、2位だった15年はどちらもCSで敗退している。