今日こそ勝つ! 「SMBC日本シリーズ」第4戦は、セ・リーグ王者広島がソフトバンクに敗れて2連敗。1勝2敗1分けとなった。先発野村は2被弾で5回途中3失点。6回にも今村が4点目を奪われた。打線は鈴木のソロ1点にとどまった。緒方孝市監督(49)は「切り替えてしっかりやるだけ」と反攻を誓った。

緒方監督は試合後、ごった返す報道陣に囲まれながらベンチ裏の通路を歩いた。11年第7戦からヤフオクドームで連勝を続けるソフトバンクに、また屈した。顔を上げ、前を向きながら、敗戦を潔く受け止めた。

「先制したかったけど、しょうがない」。悔しがったのは1回だ。1死一塁から丸が右中間二塁打。三塁を蹴った一塁走者菊池が本塁で憤死した。ソフトバンクのスキのない中継プレーに阻まれた。第1戦は広島が先制も追いつかれて引き分け。第2戦と第3戦は、先制したチームが結果的に勝利している。欲しかった1点を寸前で逃した。

これが分岐点となった。逆に野村が2発に沈んだ。3回、2死から甲斐に初安打となる左前打。そして上林に右越え2ランを運ばれた。外角要求のスライダーが内寄りに入る失投。1点差に迫った4回も2死から被弾。今度はデスパイネ。3球続けた内角ツーシームを、左翼席中段へ持っていかれた。それでも指揮官は「ひと回りはいい投球をしてくれた」と責めなかった。

打線は4回の鈴木のソロのみにとどまった。チーム4安打、1得点とも今シリーズ最少。前日の第3戦まで2戦連続2桁安打を放っていたが、相手5投手の前に沈黙した。5回の攻撃では、安部が二盗に失敗。またも“甲斐キャノン”に阻まれた。それでも足技への意識は持ち続ける。高ヘッドコーチは「12球団一の捕手だから。もちろん(今後も)いかせる」と話した。

「逆転のカープ」を信じ、ビジターで大歓声を送ったファンの期待に応えられなかった。緒方監督は「いい采配ができなかった。切り替えてしっかりやるだけ」と淡々と話した。足を止めている時間はない。やり返すだけだ。【大池和幸】