西武ドラフト7位の富士大(北東北)佐藤龍世内野手(21=北海)が15日、西武系列の雫石プリンスホテル(岩手・雫石町)で、契約金2000万円、年俸600万円(金額はすべて推定)で入団に合意した。北海道・厚岸(あっけし)町出身で、同町出身者で初のプロ野球選手誕生。地元の期待を背負う佐藤は一軍デビューを目標に、大学の先輩になる西武の山川、外崎、多和田に続く将来の侍ジャパンにも夢を広げた。

プロへの船出だ。大漁祈願だ。佐藤が、漁業を営む厚岸町の実家から送られてきた大漁旗の前で活躍を誓った。船名は自らの名と、やはり富士大野球部の弟・大雅捕手(1年)の1字を組み合わせた「龍雅丸」。厚岸町特産のカキや数々の物産品が並べられた会見場で、早くも観光大使さながらの佐藤は「めちゃ期待されているので頑張らないと」と決意を新たにした。

会見したホテル同様、西武のプリンスになる。大漁旗の絵柄は、くしくも富士とタイ。まさにめでたい西武の富士大出身カルテット誕生だ。西武の水沢英樹スカウト(49)は「元気でガッツあるプレーと人間性を評価した。どこでも守れるようにすれば出場機会も増える」と期待した。

父方の同級生のいとこ佐藤綾乃(高崎健康福祉大4年)は平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)スピードスケート・チームパシュート金メダリスト。ドラフト指名後は「おめでとう」のメールが届いた。佐藤は「(山川ら)先輩たちも選ばれ、将来的には自分も大舞台に立ちたい」と侍ジャパンでの金メダル獲得に憧れる。厚岸町の公認マスコット「うみえもん」もサンマ(秋刀魚)の刀を持ったサムライ姿。まさに相手打者を「一投両断」だ。現役では富士大8人目のプロ野球選手。今日16日、楽天と契約予定のチームメート鈴木翔天(そら)投手(22)とは敵になる。佐藤は「注目されると思うので絶対に打つ」。富士大・豊田圭史監督(34)は「早く見てみたい」と2人の活躍に期待した。【佐々木雄高】