スカウトから転身した日本ハム原田豊2軍総合コーチ(59)が16日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で就任会見に臨んだ。

プロ経験のない異色の新コーチは15日から、鎌ケ谷で行われている秋季練習に参加中。この日の会見では抱負として「総合コーチとして自分の役割としては、1軍で活躍できる選手を早期熟成して(1軍の)勝利に貢献できるようにすること。そのためには荒木2軍監督をサポートし、専門的なコーチの方との調整役をして、しっかりと子どもたちの成長に寄り添えることを考えています」と心境を明かした。

同コーチは東海大から社会人の協和発酵に入社。選手としてプレー後は同社で監督を務めた。その後、会社員となったが、脱サラして母校の柳井高(山口)でも監督を務め、13年1月から日本ハムで九州地区担当のアマスカウトに転身していた。会見に同席した栗山監督は「原田さんは高校、大学での経験、社会人でも監督をやられている。(野球界は)アマチュアとプロで分けられていますが、本当のプロの指導者というのは長い時間をかけてアマチュアで頑張っておられる監督さん方、コーチの皆さん。僕が監督になる前(のスポーツキャスター時代)には、すごく教えていただいた。そういう人の中に本当のプロがいると僕は思っていた。そういう意味では、プロの経験は別として、特にファームは今、重要なポイントを握っていると思うので、荒木2軍監督を助けていただいて、総合的に選手を見ていただこうと思って(スカウトからコーチへの転身を)お願いしました。ぜひ、チームのために力になってくれると思います」と今回の経緯を説明した。

15日にはドラフト1位の金足農・吉田輝星投手(17)も仮契約を結び、来季からの新加入が決まった。原田2軍総合コーチは「(吉田輝の)成長を妨げることのないよう、スタッフ全員が力を合わせていきたいと思います」と話した。

◆原田豊(はらだ・ゆたか)旧姓・西本。1958年(昭33)12月18日、山口・徳山市(現周南市)生まれ。柳井高から進学した東海大で遊撃手として活躍。同学年の巨人原監督とは三遊間を組んだ。協和発酵に入社した1年目の81年に津田恒実(のち広島、故人)と2人で他チームの補強選手として都市対抗に出場。監督も5年間務め、会社員を経て、13年4月まで約1年間、柳井高監督。14年1月から日本ハムで九州地区担当スカウトを務めた。