巨人の「ゴジヨシマル」だ。広島からFAで移籍した丸佳浩外野手(29)が11日、都内のホテルで原辰徳監督(60)と同席で入団会見を開いた。5年総額25億5000万円の契約で、年俸は今季の2億1000万円から4億5000万円。背番号は指揮官の現役時代の8に決まった。原監督から松井秀喜氏、高橋由伸前監督の流れをくむ左の長距離砲の期待を受けたが、控えめに「20グータッチ」以上を約束した。

丸が「ゴジヨシ」の系譜を継ぐ。原監督も背負った「8」の巨人のユニホームに袖を通し、たかれた無数のフラッシュに堂々と胸を張った。「まずはやってやるというか。早く野球がしたいという思いです」と力強く言い切った。

偉大な左打者に肩を並べる。2年連続セ・リーグMVP。4度のベストナインに、6年連続ゴールデングラブ賞。田中、菊池との「タナキクマル」で広島3連覇の原動力になり続けた。原監督から「左の長距離砲がチームにぜひ必要。前ならば松井、高橋由伸であったりと。まさにその2人をだぶらせた」と日米通算507本塁打の松井氏、321本塁打の高橋前監督の名前を列挙。147本塁打の丸が偉大な2人の名前を重ねられる最大級の賛辞と期待だった。

求められるのは「ゴジヨシ」に匹敵する長打力+αだ。原監督は「何より、彼が勝っているのは守備力と走力」と続けた。丸は「雲の上の存在、憧れでしかなかったけど、少しでも近づけるように頑張っていきたい」と受け止めた。

一方で本塁打後のお約束は控えめだ。今季は自己最多の39発を放ったが、巨人でおなじみの原監督とのグータッチを「できることなら20回以上はしたい」と謙虚に20発以上を設定。本塁打だけでなく、「出塁率というのは自分の中でも強みだと思っている。良い意味で打線をつなぐことができれば」と臨機応変な打撃で攻撃力を高めていく。

来季の開幕戦は3月29日古巣広島戦(マツダスタジアム)。「正直複雑な思いもありますけど、そこはしっかりと前向きに考えている」と力を込めた。V奪還に向けて「常に優勝目指して戦っているチームですし、そういった中で、監督もおっしゃったように良いコンディションで入れたら」と言い切る。優勝請負人トリオ「ゴジヨシマル」の流れを作る。【島根純】(金額は推定)

◆巨人の背番号8 リーグ戦開始前の35年につけた水原が第1号で、丸が14人目。58年藤本は33番、62年坂崎は19番から8番に変更した。2リーグ制後(50年~)、移籍してきた選手が8番をつけるのは51年平井、65年吉田、07年谷、14年片岡に次いで5人目となり、他に新人の8番が68年高田、81年原、96年仁志。2リーグ制後に移籍、新人の新戦力が8番をつけたシーズンの巨人は7度すべて優勝したが、来季はどうか。