丸抜きカープ、俺が引っ張る! 広島田中広輔内野手(29)が13日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、4000万円アップの年俸1億8000万円で一発サインした。会見で、丸佳浩外野手(29)が抜けるチームについて「リーダーとして引っ張りたい」と決意表明。1番の打順を死守する覚悟も明かした。3年連続全イニング出場中の鉄人は、鯉の屋台骨を全力で支える。(金額は推定)

田中広の口からリーダーの自覚があふれ出た。4連覇を目指す来季。2年連続MVPの丸が抜け、他球団は着々と補強を進めている。立ち向かうには相当な覚悟が必要だ。「チームリーダーとしてしっかり引っ張っていきたい。引っ張っていかなくてはならない立場」と、言い切った。

チームをまとめる明確なビジョンがある。「声かけであったり、若い子が多いのでいい環境を、練習しやすい環境をつくってあげたい。厳しさをもってやるのも大事」。11日にドラフト1位の小園海斗内野手(18=報徳学園)が「田中さんに心構えを聞いてみたい」と話したが「いつでも、何でも聞く。僕でよければ、僕が経験したことを伝えたい」と、改めてウエルカムの姿勢を示した。

プレーでは、1番を死守する。今季は27試合で1番を外れ、下位も打った。「3年間、3連覇の1番としてやってきたので、強い思い入れはある。毎年競争なので外されないように一生懸命がんばりたい」。タナキクマル解体により打順がシャッフルされる可能性もあるが、切り込み隊長の役割を譲るつもりはない。

チームを支えた先に、1つの目標が見えている。「(阪神)鳥谷さんのショートでのフルイニング出場は意識してやっていきたい」。現在、568試合連続で全イニング出場中。鳥谷超えの667試合までジャスト100試合だ。今季はリーグ2位の17死球と、厳しく内角を攻められたが「ガードもちゃんとつけてるし、よけ方も年々うまくなってきた。いつきてもいい準備だけはしたい」と万全の構えで臨む。

鈴木球団本部長からも「チームリーダー的な存在」と信頼を示された。リーグ4連覇を狙うチームを、鯉の鉄人が公私にわたってけん引する。【村野森】