新生矢野タイガースへ、各界からエールをいただいた企画も最終回。大トリは阪神ファンの“大御所”、関西名物テレビ番組「探偵! ナイトスクープ」(ABCテレビ、金曜午後11時17分)の西田敏行局長(71)です。福島県出身ながら、小学4年からの虎党。ファン歴約60年の西田局長は、金本知憲前監督の「勇猛果敢」に、捕手出身・矢野燿大監督の「緻密さ」が加わり、常勝軍団に-と期待。FA補強により内海、長野を流出させた巨人は「Bクラスもある」と予想しました。【取材・構成=村上久美子】

西田 金本さんが勇猛果敢に育てた若い力を、キャッチャー出身の矢野さんが緻密に、冷静に相手を見ながら戦って、常勝(軍団)のベースを作ってくれるんじゃないか。広島をも圧倒するプレーが期待できる。

今季の希望順位は「優勝」だが、現実的には「覇権争い」と予想する。

西田 まあそらね(希望を)言うたら優勝ですよ。けどまあ、よくて2位、あるいは3位に入って、覇権(日本シリーズ)争いかな。でも優勝のチャンス、芽はありますんで。はい。

期待するのは、まず、投手では藤浪晋太郎だ。

西田 藤浪さんは復活してもらわないと困る。期待どころか! あの独特の勝負に挑むときの目の輝きが、また、たぎってくれたら、いい感じになる。やっぱりピッチャーが大事。

自らを「タイガースファン病」と言い、阪神の選手とは「照れて話せない」。数少ない友人がOB関本賢太郎氏。関本氏を通じて、15年に藤浪へ「底力はある」とゲキを飛ばした。藤浪が最後に2ケタ(14勝)勝ったシーズンだった。

西田 そら、もう藤浪さん(の復活)は信じていますよ。打線の方は、ダークホースが毎試合出てきそうな期待が。日替わりヒーローがね。新人の近本君もそうだし、中谷君とか、グスングスンと燃えかけている人たちが、完全に燃焼(爆発)してほしいな、と。

猛虎復活へ立ちはだかるライバルは-。

西田 ジャイアンツは、そんなに(昨季と)変化ないと思います。内海さん、長野さんが出てね。阪神なら福留さんとかが出て行くようなもん。僕らからしたら、福留さんを手放すなんて…。怖さならジャイアンツより、圧倒的にカープ。

看板選手の流出は、戦力以上のダメージになりそうで、丸を取り巻く環境も厳しそうだとも言う。

西田 丸選手はね、ジャイアンツではあんまり働けないんじゃないか。労働環境があまりよくない。広島で野放図にやれたから、闊達(かったつ)な丸選手がいたのであって。長野選手と交換みたいになって、精神的にものすごいプレッシャー。周りの嫉妬も心配。「長野さん追い出したんだ」って目で見る人もいるかもしれない。そういう意味では、巨人は、下手すればBクラスもありますよ。

ライバルは広島と、巨人ではなく中日だという。

西田 ドラゴンズは、根尾選手を獲得し、運が向いている。根尾君は高卒で、あのインタビューの受け答え、半端じゃない。でも、ほしかったね~。矢野さんと根尾君、うまく育ててくれると思うのにな~。

新シーズンへ夢をたくし、紙上で矢野監督への“手紙”を書いてくれた。

西田 金本さんが誠心誠意を込めて育てた若手を、うまい具合に野に放つ指揮官ぶりを発揮していただければ、優勝という2文字はタイガースにくると信じております。どうか、プレッシャーなく楽しい采配をして、我々を楽しませてくれれば幸甚です。(おわり)

◆西田敏行(にしだ・としゆき)本名同じ。1947年(昭22)11月4日、福島県郡山市生まれ。67年ドラマ「渥美清の泣いてたまるか」で役者デビュー。主演映画「釣りバカ日誌」は88~09年まで22作続いた。01年1月から、ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」の2代目局長。小学4年で「管理された巨人」を嫌い、奔放な猛虎戦士に魅了されて以来、虎党一筋。

○…西田が局長を務めるABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」には、タイガースOBも多く出演する。2月8日放送分には、金本前監督が出演。金本氏とは昨年も、都内の行きつけのすし店で会い「まだ監督をされていたので、エールを送ったんですけどね…」。結果、無念の最下位に沈み、辞任にいたったが「きつい修羅場をくぐってきて、鍛錬された人間の大きい人」と敬意を持っている。