巨人岡本和真内野手が、劇的なサヨナラ2ランを放ち、オープン戦の本拠地初戦を白星で飾った。

1点を追いかける9回1死一塁から、スライダーを右翼席に運んだ。5回の2点適時三塁打を含む2安打4打点の活躍。侍ジャパンでも中軸候補に挙がる大砲が文字通り、4番の仕事で3万9322人の大観衆を沸かせた。

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岡本は外角のスライダーに踏み込んだ。1点を追う9回1死一塁、大歓声とともに上がった飛球は、吸い込まれるように右翼席に飛び込んだ。5回には、1軍では初となる2点適時三塁打を右方向に放ち「ある程度、(体が)後ろに残った状態で振り切れた。右方向にああいう打球がいくのは、ちゃんと振れている証拠」と冷静に振り返った。

ベンチで見つめる原監督をもフルスイングで惑わせた。サヨナラ弾の直前、外角に外れるスライダーを豪快な空振り。「外角のストライクゾーンは見えてない、インサイドを狙っているような雰囲気でね。どこまで三味線をひいているのかなという感じ」のスイングから、直後の外角スライダーを右翼席に運んだ。

岡本 ちょっとヤマを張ったというか…。でも、僕、何も考えてないんで。その辺は企業秘密です。

試合後の取材でも、岡本ワールドで「三味線をひいた」。1、3回の打席では内角を攻められ、ともに凡退。5回の三塁打は3球で追い込まれながら、ファウルでタイミングを合わせ、はじき返した。「まだまだ精度を上げていかないと」と試合後はすぐに気持ちを切り替え、室内ブルペンでバットを振った。

シーズン、オープン戦でも自身初のサヨナラ弾で、オープン戦では巨人では98年の清原以来21年ぶり。逆転サヨナラ弾は76年の王以来、43年ぶりの記録だった。「最高の結果ですが、開幕でもっといいものを出せるように」と気を引き締め、汗びっしょりでロッカールームに戻った。【久保賢吾】

▼岡本が逆転サヨナラ本塁打。オープン戦のサヨナラ本塁打は18年3月20日川島(ソフトバンク)以来だが、巨人では98年3月18日阪神戦の清原以来、21年ぶり。清原は同点からで、巨人の逆転サヨナラ本塁打は76年3月25日王が阪神戦でスコア8-9からサヨナラ2ランを打って以来、43年ぶりだ。これまで岡本は公式戦、オープン戦を通じてサヨナラ安打がなく、この1発が自身プロ入り初のサヨナラ安打となった。