背負うべき立場を、ぐっと引き寄せた。巨人今村信貴投手が阪神とのオープン戦に先発し、5回3安打無失点。開幕ローテ入りへアピールした。

初回の2死満塁を切り抜けると、4回以外走者を背負いながら、ボールを低めに集めて粘った。オープン戦3試合目の登板で初の0封に「今日抑えないとチャンスがないと。大事な試合だったのでゼロに抑えられてよかった」と胸をなで下ろした。

師匠の魂をつなぐ。今季から社会貢献活動として、成績に準じて児童養護施設へランドセルの寄付の実施に動いている。個数の基準を三振数か登板回数かは検討中。きっかけは西武へ移籍した内海だ。09年からの活動を移籍後も継続する予定で、今村も「内海さんの姿を見てきて、いつか僕もこういう活動がしたいと思っていた。自分も、より多くのランドセルをプレゼントしたい」と志した。

今年1月、ともに実施した自主トレ先の鹿児島・奄美大島で施設を訪問。贈呈したランドセルに喜ぶ子どもたちに、心を打たれた。その日の夕食で「自分もやりたいです」と宣言。内海も「まだ若いのに、すごいこと。その思いがうれしかった」と背中を押した。

昨季は自己最多の6勝。今季は、菅野から春季キャンプの投手キャプテンに指名されるなど、若返りを図る投手陣の核としての働きに、期待は大きい。今年で8年目の25歳。周囲の思いを背負って、大きく羽ばたく。【桑原幹久】