オリックス吉田正尚外野手(25)のオープン戦1号は、本人も驚きの場外弾だった。

1回2死一塁で、広島の開幕ローテーション左腕、床田の内角直球をフルスイング。捉えた打球は大阪シティ信用金庫スタジアムの右翼スタンド最上段から伸びる高さ15メートルの防球ネットも超え、豪快な先制弾になった。

「インコース高めくらいだったと思いますけど、バットがスムーズに出たので。(打球は)見えなかったです。奥に消えたかなと思ったんですけど(球場の)造りが分からないので。(外に)出たんですか!?」。手応えは十分だった。ただ、推定130メートルの飛距離には、本人も驚いた。

一塁走者は「メキシコの4番」メネセスだった。右翼の守備位置には「日本の4番候補」鈴木がいた。世界レベルの顔ぶれが球場にそろう中、強化試合・メキシコ戦(京セラドーム大阪)で4番を務めた吉田正が強烈な1発。「なんちゃって4番ですからね、ぼくは」と笑ったが、東京五輪に届けとばかりのアピール弾だ。

10日の試合で、吉田正は満塁弾を放った。プロが参加した主要な国際大会では史上初となる4番のグランドスラム。西村監督から不動の4番を託される主砲は、稲葉JAPANでも貢献し「内容重視で1日1日大切に、1打席1打席大切に。今年もケガなく、数字は昨年以上を目指して頑張っていきます」とキャリアハイを狙う。頼もしすぎる強打者が、2020TOKYOに集う。【堀まどか】