かつてのドラフト1位が遊撃のレギュラー候補に浮上した。中日堂上直倫内野手(30)がオリックス戦の4回に1号2ランを放った。

「1打席目に差し込まれていた。ストレート1本でいった。最後の打席で、もう1点取らないと。ああいう場面で打ってアピールしたい」。7回裏1死満塁で浅い右飛に沈み、喜びも控えめだったが、首脳陣に存在感を示した。

巡ってきたチャンスだった。遊撃の大本命・京田が20日に緩慢プレーで懲罰交代。この日はスタメンから外れた。堂上は10日のロッテ戦以来となる遊撃先発で結果を残した。昨秋のキャンプから自ら打撃フォームを改造。バックスイングを後方に傾けて引くだけに変えた。村上打撃コーチは「あれでバットが外から出ず、内側から出るようになった。下半身も使えるようになった。ワンプレーン打法だね」と取り組みを称賛する。与田監督も「シーズンの中でもライバル争いをしてほしい。(レギュラーに)どっしりあぐらをかいてもらっては困る。これからも(レギュラー争いは)続く」と目を細めた。

堂上は06年の高校ドラフト1巡目で中日に入団。昨年の契約更改で、こう言い切った。「来季は遊撃1本です」。遊撃は京田が2年間レギュラーを務め、ドラフト1位の根尾も加入した。不屈の30歳が再び輝きを放つ。【伊東大介】