名古屋電気(現在の愛工大名電)で高校の先輩でもあるソフトバンク工藤公康監督(55)が22日、現役引退を発表したマリナーズ・イチロー外野手(45)について語った。

21日深夜の引退会見をテレビで見た工藤監督は「50歳までいけるたった1人の人だと思って見ていた。野球選手として尊敬していますし、同じ高校を出た後輩として誇りに思う。28年間お疲れさまでした」。48歳まで現役を続けた工藤監督ならではの思いでねぎらった。

現役時代はダイエーとオリックスで何度も対戦した。「1度見たボールは次に投げたら打たれる。どこに投げたらどう曲がるとか、ボールの軌道は一発で見破られる。左対左なので、インサイドのスライダーで見逃し三振を取ったんだけど、次の対戦で同じ球をライト線にツーベース打たれた。研究熱心だし、研究する能力、イメージする能力は人とは違う次元でやっていた。起きてから寝るまで、野球にかけている時間は間違いなく人と違う。誰よりも野球のために1日を過ごしていた選手だと思う。頭が下がるのみです」と振り返った。