迫真のガッツポーズを、振りかざした。2点を追う8回。2死二、三塁の好機を、日本ハム近藤健介外野手(25)は見逃さなかった。

初球。山岡の縦に落ちる132キロスライダーに、タイミングを合わせた。打球は、逆方向の左翼へ一直線に飛んだ。「うれしかったですね。何とか打てて良かった」。打線が苦しんだ「縦スラ」を攻略し、起死回生の同点打。サヨナラ勝利を呼び込む布石を打った。

晴れ舞台で、迷いなく安打を重ねた。2点を追う3回にも、初球をはじき返し右前適時打を放っていた。2安打3打点の活躍。「元々いい投手。積極的にいこうと思った」。少ないチャンスでの決定力の差が、勝敗を分けると覚悟していた。同い年で同期入団の上沢が、初めて開幕投手を務めた一戦。「エースですからね」と序盤からの劣勢を、バットで強烈に援護した。

国際舞台での力試しの成果を、この日につなげた。今月上旬の侍ジャパン、メキシコ戦では中軸で2試合フル出場も1安打に終わった。「まだまだ自分に求めるものが、多くあることが分かった。チームに帰ったら、何してるんだと言われますね」。悔しがっていたが、開幕戦で鬱憤(うっぷん)を晴らした。

前日28日には石井、浅間との決起集会で、鯛飯を食べて験を担いだ。劇的な幕開けとなった今季。「こういう試合を、どんどん積み重ねていきたい」。安打とともに、希代のヒットメーカーは勝利を重ねていく。【田中彩友美】