止まらんバイ! ソフトバンクが08年以来となる開幕4連勝を飾った。2桁得点圧勝の立役者は3試合連発の主砲・柳田悠岐外野手(30)だけじゃない。1&2号で気を吐いたのは今宮健太内野手(27)だ。母校明豊(大分)は惜しくもセンバツ準決勝で敗退したが、夏へ再スタートを切る後輩たちにエールを送るような2発だった。

   ◇   ◇   ◇   

今宮が62発を放った明豊時代のように、豪快な2発をスタンドへたたき込んだ。3回、左腕アルバースの内角球に体をクルリと反応させ、左翼ポール際に運んだ。「本塁打になるとは思わなかったが、内角球にうまく反応できた」。8回には相手の失投を見逃さず、左翼席へプロ初の1試合2本目となる2号ソロを放った。

「後輩が負けたんで、うっぷんを晴らしました」。この日午前中、春夏通じ初の4強入りした母校明豊が習志野と準決勝を戦った。「休みなら甲子園に行きたかったんですが、シーズン中なので」とテレビで観戦。悔しい逆転負けにも「いい戦いだった。夏につながる。全国で戦えることを証明した。次は全国制覇を目指してほしい。後輩の姿を見て僕も頑張れる」と刺激をもらっていた。

開幕から4試合2番に座り、まだ犠打はない。15打数9安打の打率6割。絶好調の3番柳田も「あいつ(今宮)はヤバイでしょ」と驚く暴れっぷりだ。

打てる遊撃手を目指し続けてきた。「今はタイミングが合っている。力みなく構えて待てている。まだ4試合なので、この形を続けていきたい」と、しっかり左足を上げてタイミングを取る打法がうまくはまっている。調子が落ちると上体だけに力を入れて、力み過ぎてしまうだけに、好調な今の形を体に染みこませるつもりだ。

工藤監督も「このままいい状態を続けてほしい。彼に打たせてチャンスが広がる」と目を細める。2番今宮が好調だからこそ柳田、デスパイネと打線が続く。先発東浜が5回4失点でも、今の打線なら打ち負けない。08年以来11年ぶりの開幕4連勝と、リーグV奪回へ勢いは止まらない。【石橋隆雄】