首位ソフトバンクに激震が走った。柳田悠岐外野手(30)が8日、左膝裏の肉離れのため出場選手登録を抹消された。前日7日ロッテ戦の走塁中に痛め、福岡市内の病院で全治3週間と診断された。ここまで全9試合3番で出場し、打率3割5分5厘、4本塁打、リーグトップタイの14打点、4盗塁で開幕ダッシュに貢献してきた。大黒柱ギータが離脱した影響は計り知れない。

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予想以上に重傷だった。午後4時過ぎに治療のためヤフオクドームに姿を見せた柳田は「チームに迷惑をかけるので、申し訳ない気持ちが一番。起こったことだからしょうがない。時間をムダにしないように。それだけを考えています」と無念そうな表情で話した。

7日ロッテ戦の7回に三盗を決めた際に痛め、途中交代。一夜明けて福岡市内の病院でMRIなどの検査を受け、「左半膜様筋腱(けん)損傷(肉離れ)」で全治まで3週間程度かかる見込みと診断された。早ければ10日から福岡・筑後市のファーム施設でリハビリを開始する。

ロッテ戦後に「軽傷ですが」と話していた工藤監督も、診断を聞いて「痛いですよ。痛いなんてものじゃない」と本音を明かした。「場所が場所なだけにしっかり治して。まだシーズンは始まったばかり。誰か1人が代わりをするのではなく打線全体でカバーしたい」と話すほど、チームに大きな穴があいた。

柳田を打線の大黒柱として工藤監督は打線を組んできた。期待に応えるように開幕から全9試合に出場し、打率3割5分5厘、4本塁打、14打点、4盗塁と好スタートを切った。1番牧原、2番今宮の好調ぶりも、3番柳田がドッシリと軸に座っていたからこそだ。

開幕前には中村晃が右脇腹痛と自律神経失調症で離脱。5日には代役として活躍していたグラシアルも左脇腹を痛め、出場選手登録を抹消された。9日からの日本ハム3連戦では2試合で左腕の先発が予想され、右打者の真砂勇介外野手(24)を昇格させた。工藤監督は「柳田君が帰って来るまでに貯金を増やせるようにみんなで頑張ります」と自分に言い聞かせるように話した。シーズン序盤からやって来た大ピンチを残ったメンバーで乗り越えるしかない。【石橋隆雄】