<日本ハム1-5ソフトバンク>◇27日◇札幌ドーム

日本ハム近藤健介外野手(25)が、ソフトバンク千賀から3打数3安打とキラーぶりを発揮、今季初の猛打賞とした。味方が打ちあぐねる中、2回の第1打席で内角の156キロを詰まりながら左前へ運びチーム初安打を記録。5回の第2打席は千賀の代名詞“お化けフォーク”をセンター返し。カウント1ボール2ストライクと追い込まれるまでバットを振らず、狙っていたかのように手を出した。

本人は「狙っていたのではなく、反応で打った。ボール自体が甘かったので」と、いとも簡単に言う。確かに、フォークボールは完全には落ちきらなかった。「直球を引っ張りにいけば、浮いた変化球を引っかけてしまう。反対方向に打つイメージで待っていたら、浮いてきた球を打てる」。第1打席で剛速球を安打し、気分的にも楽だった。どんな投手に対しても、常に意識するのは逆方向。不振に悩んだこれまでがウソのように、バットが振れた。

特に千賀には、めっぽう強い。「相性はいいですね」と自覚もある。通算の対戦打率は3割9分1厘だが、17年以降は18打数9安打で5割ちょうど。なぜか。「相手はスーパーな投手なので、打てる球にだけ手を出すようにしている。球が速い分、シンプルに真っすぐを狙っていけるので、対応できているんだと思います」。多くの打者が手を焼く12球団屈指の右腕攻略法は、実にシンプルだった。【中島宙恵】