平成最後のマウンドを、無失点で締めた。日本ハム吉田輝星投手(18)が29日、イースタン・リーグDeNA戦(鎌ケ谷)に先発。自身最長4回を投げ、公式戦6試合目で初の4安打無失点の好投。勝ち負け付かずも、新時代へ期待を膨らませた。

いきなり背負ったピンチも、冷静に断った。1回。連打で1死一、三塁。4番細川を直球143キロで見逃し三振。続く山下を遊直に仕留めた。ストライクを取るたびに、超満員4070人の観客から拍手が起こった。「ファームの試合じゃないくらい(観客が)いた。うれしかったです」。大歓声を力に変えた。

持ち味を発揮した。この日は最速146キロも、真っすぐの伸びは一級品。「見た目が豪快とかそういう話じゃなく、低めから伸びてくるボール」と武器を評する。奪った三振は4。直球で惑わせながら、変化球でも奪った。球数70球の制限があり、4回65球で降板も「特に問題なかった」。次回は5月7、8日ロッテ戦(ロッテ浦和)で登板予定だ。

実戦を重ねるごとに、着実に前進している。甲子園を沸かせたのは昨夏。加藤2軍投手コーチは「アイツは(暑くなる)これからが本番でしょ。調子が上がり続けている」と目を細める。吉田輝も「試合勘がだいぶもどってきている。無駄な思考がなくなって集中出来るようになった」。好物のポテトチップスとコーラの誘惑を断ち、筋肉量もアップ。今夏は「サマーボディ」で、さらにファンを魅了する。【田中彩友美】