平成で最も勝利を挙げた巨人が、貯金6のセ・リーグ首位で新時代の幕開けを迎える。平成最後の一戦は、先発のルーキー高橋優貴投手(22)が7回3失点でプロ初黒星を喫し、自慢の強力打線も1点に抑えられた。平成通算成績は、12球団最多勝利数&最高勝率となる2263勝1639敗80分け。4月は16勝10敗とスタートダッシュを決め、令和“開幕”となる1日はエース菅野智之投手(29)が先発する。

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時代の幕切れのいたずらか。1回に大量得点のチャンスをつかんだ巨人が、珍しい「レフトゴロ」で得点機を逸した。1死から丸、ビヤヌエバ、岡本の3連打で1点を先制。なお1死一、二塁のチャンスで、今季初5番の石川の打球は左翼フェンスを直撃した。

4連打のはずが、打球は体をぶつけながらジャンプした伊藤康のグラブに収まった。フェンスに先に当たっていれば安打で、直接捕球ならアウト。微妙な判断に迷った一塁走者の岡本は、審判に確認するしぐさを見せながら捕球と判断し、二塁を回ったところで帰塁したが、封殺された。

結局1点止まりだったが、プロ野球の平成第1号本塁打を放った原監督は平成最終戦に出た走塁ミスを責めなかった。「相手の素晴らしいプレー。我々はなかなか防げなかったということですね」と言って、対策に言及。「(走者が)自分の目、感覚で捕った、捕ってないを判断をする。審判に委ねるとこうなるんでしょうね」と加えた。

昭和、平成と2つの時代で、ともに12球団最多の勝利数を誇る。節目の先発を託したルーキー高橋はプロ入り最長となる7回を投げた。連続四球後の3ランで敗れたが、指揮官は「落胆することなく、いいピッチングをしたのは非常に価値あると思います」と評価した。89年の平成元年は4番として日本一に導き、1日からはプロ入り後3つめの元号の下で戦う。「明日から、また日々新たにいきます」。新時代でも、目の前の1勝を積み重ねていく。【前田祐輔】