岩手・宮古市出身の福井工大(北陸)小川千洋捕手(3年=花巻東)が、全国デビューを果たした。

明大(東京6大学)に2-8で迎えた7回裏からマスクをかぶり、1失点でコールド負けも「この舞台に立てたことは、今まで支えてくれた多くの人に感謝したい。この悔しい経験を、出場できなかった人にも伝えていきたい」。さらなる飛躍への糧とするつもりだ。

花巻東時代は2年夏に甲子園出場もベンチ外。3年生で背番号はつけたが、公式戦出場は地区大会での代打出場1度だけ。だが、捕手としての勤勉さは誰にも負けない。配球や投手との接し方はプロ野球楽天嶋基宏捕手(34)の動画を見て研究。出場には恵まれなくても、試合、練習問わず、気づいたことをノートにメモしていた。この日も、明大の選手の癖などを1巡目で分析。ベンチでも貴重な存在だ。

高3秋には練習会に参加した当時中3の大船渡・佐々木朗希投手(3年)のキャッチボール相手を務めたこともある。「佐々木くんも頑張って欲しいけれど、僕も神宮に戻ってきて、日本一の目標を達成したい」。同郷の怪物にも刺激を受けていた。【鎌田直秀】