阪神が執念継投で引き分けに持ち込んだ。チームは前夜まで2試合連続で終盤の逆転劇を食らっていたが、ラファエル・ドリス投手(31)が好救援するなど悔しさを晴らした。

5-5の10回。回またぎした能見が先頭の佐野に二塁打を許した直後だ。前夜黒星を喫していたドリスが火消しの期待を背負い、マウンドに上がった。「今日はフォークをよく使った。内野フライや内野ゴロに抑えたかったので、そういう選択になりました」。1死一、二塁で迎えた大城に対し、フォークでカウントを整え、最後は二ゴロに仕留めた。続く後藤は140キロフォークで一ゴロに打ち取った。自らの悪送球も絡んで暗転した前日から一転。狙い通りの投球で、バトンをつないだ。

11回は藤川がしのぎ、最終回を締めたのはリリーフ陣最年少、20歳の浜地だった。「ずっとピッチャーの先輩がつないできてくださって、なんとか抑えたいと思っていました。そういう場面を任せていただいて、意気に感じました」。3番佐野を遊ゴロに打ち取ると、4番ロメロには146キロ直球で空振り三振。中軸を相手にわずか10球で3者凡退に抑えた。「監督にいくぞ、と言われた時は少し緊張しましたが、1球投げていつも通り投げられたかなと思います。いいバッターでなおさら気合が入って良かったかなと思います」。最後の投手だったため、初ホールドはつかなかったが、チーム今季2度目の8人継投で、救援7投手オール無失点を完結させた。

矢野監督も「中継ぎもみんな疲れている中、球児もみんな、なんとかゼロで帰ってこようというのでやってきた。みんなに感謝だね」。8回の男ジョンソンを欠く中で、藤川が3日連続登板するなど、まさに総力戦でもぎ取ったドローだった。【磯綾乃】