阪神が執念リレーで2点リードを守り抜いた。8回に登板した藤川球児投手(38)が、4番山川に全球直球勝負で挑むなど、ジョンソン不在の中、リリーフ陣の総力戦で連敗を止めた。

「相手もいい選手ですから」。1点を勝ち越した8回に登板し、先頭で迎えたのは4番山川。147キロ直球で見逃しを奪うと、150キロ、143キロと緩急をつけた直球で1-2と追い込んだ。最後は内角高めの146キロ直球で空振り三振。今季27本塁打の主軸のバットを寄せ付けなかった。

「今日は僕の負けですね。僕の中では1回、バックスクリーンに打たれているので」。冗談まじりに振り返ったのは、1死一塁で迎えた6番中村の2球目。真ん中に入ったフォークが打ち損じのファウルに。藤川にはヒヤリとしたようだが、最後は空振り三振に仕留めた。

矢野監督は、38歳右腕の熟練の直球勝負を絶賛した。「球児もあれだけフルスイングしてくるバッターを、どこか楽しんでいるような感じも見えるくらい、そういう中で細心の注意を払いながら。経験のあるピッチングをしてくれました」。

6回3失点と粘った西の力投を無駄にはしなかった。7回は岩崎が、1番秋山から始まる好打順を3者凡退に仕留めて今季初勝利。9回は守護神ドリスが危なげなく締めた。終盤に逆転を許す試合が続く中、接戦をものにした。「8回の男」ジョンソンも交流戦明けに帰ってくることが決まった。交流戦最後のカードで連勝し、リーグ戦最下位に勢いをつけたい。【磯綾乃】