日本ハム中田翔内野手(30)が、ロッテ15回戦(札幌ドーム)の1-0で迎えた4回、追加点の20号ソロを左翼席へ運んだ。20本塁打到達は通算7シーズン目。日本ハムでは張本勲、大杉勝男に次ぐ歴代3位の到達回数で、97~06年に在籍した小笠原道大に並んだ。チームは後半戦負けなしの4連勝で、札幌ドームではロッテ相手に9連勝。首位ソフトバンクに3ゲーム差と迫った。

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手応え十分だった。日本ハム中田が、勝利をぐっと引き寄せるアーチを架けた。1-0で迎えた4回だ。ロッテ先発二木の2球目、高めに浮いたスライダーを左翼席へ放り込んだ。通算7シーズン目となる20号到達。「泳がされていたけど、しっかり対応できた」。日本ハムでは張本勲、大杉勝男に次ぐ歴代3位の到達回数で、97~06年に在籍した小笠原道大に並んだ。

開幕直後の4月から、バットの変更を模索していた。グリップに引っかける小指部分に負担がかかり、08年には左手の有鉤(ゆうこう)骨を骨折。リスクを減らすため、タイ・カッブ型のグリップを試し、ヤスリをかけてさらに根元の凹凸を消したオリジナルを作製した。試行錯誤を重ねて、完成したのは6月。「最初は(バットが手から)抜ける感覚があったけど、松ヤニを付ければ大丈夫。グリップに当たるストレスがなくなった」。故障の危険性が減ったことで、思い切りバットを振れるようになった。7月の月間打率は3割0分6厘。「感覚がしっくり来ている」。今はこの1本に、懸けている。

七夕の日。愛娘が短冊に書いた一文に、苦笑いした。「パパがホームランを60ぽんか70ぽんうってほしいです」。かわいい願いに「無理やろ。どうやって打ったらいいんや、70本も」と言いながらも、目を優しかった。つかの間の球宴休みをへて、後半戦も好調を維持している。

チームは後半戦負けなしの4連勝で、首位ソフトバンクに3ゲーム差に迫った。それでも、油断はない。「ソフトバンクは今は連敗しているけど、怖いチームに変わりはない。隙を見せないようにしないと」。球団史に名を刻んだスラッガーは、チームの夢、家族の夢に近づくために、今日も打席に立つ。【中島宙恵】

▼日本ハムがロッテに勝利し、札幌ドームでは昨年10月10日から9連勝を飾った。今季はここまで10勝5敗と優勢で、札幌ドームでは7戦全勝、ZOZOマリンでは3勝5敗。