長い眠りから“燕のゴジラ”が目覚めた! ヤクルト村上宗隆内野手(19)が、20試合ぶりとなる同点の21号ソロを放った。

1点を追う2回、DeNA大貫のシュートを左翼席へ運んだ。今季初本塁打など得意にする大貫から計3本目。今季7本目の逆方向へのアーチで、復調を印象付けた。「久しぶりに打ったので、気持ちよかったです」と笑った。

有言実行の1発に、ガッツポーズで報道陣の前に現れた。6月は打率2割1分。7月も2割1分7厘と低迷し、直前の7月30、31日のDeNA戦では8打数無安打に倒れていた。5月23日阪神戦以来、約2カ月ぶりにクリーンアップを外れたこの日、苦境を脱するために自分にプレッシャーをかけた。試合前に「そろそろ記事になるように打ちます、と言った方が打てるかもしれない」と宣言。同じく試合前に「打ちます」と宣言して20号満塁弾を放った7月3日広島戦に倣い、見事に結果を出した。

チームでは唯一、リーグ全試合に出場。さらに球宴にも初出場した。プロのシーズンを体感する1年目でのフル稼働に、小川監督も「痩せたんじゃないか」と心配していた。バットも試行錯誤。フリー打撃ではバレンティンが使用するモデルを試した。さらに、球宴のホームランダービーで競争し敗れたオリックス吉田正からもらったバットも振り、感覚を探った。試合後には、「2戦連発で打てるように、頑張ります!」ときっぱり。低空飛行の燕を、村上が押し上げる。【保坂恭子】