巨人原辰徳監督(61)が、勝利の方程式を担うブルペンの柱、クローザー中川とデラロサをベンチから外し、7カードぶりの勝ち越しを決めた。

9連戦の5試合目で、前日のナイターからデーゲームに移るタイミング。中川は3連投、デラロサは2連投中と登板が重んでいた。指揮官は「いると使いたくなるもんですから、もういないでくれと。完全に今日は明日のための備えという判断」と休養を優先させた。

目先の勝利だけではなく、シーズン全体を考えた総合的な判断。先発桜井が6回2失点で降板すると、田口-高木-沢村の臨時方程式で逃げ切った。代役“クローザー”の沢村は1回2三振で3者凡退に抑えた。他の救援陣に責任感を持たせる意味合いについても、指揮官は「絶対にそう」と底上げを促す。決断の根底には、チーム全員で戦う原巨人の指針がある。

中川は今季50試合に登板して4勝15セーブ、新外国人のデラロサは後半戦デビューから11試合で1勝1セーブと安定感を誇る。12日からは5勝11敗と苦しむ宿敵広島との敵地3連戦が控える。宮本投手総合コーチは「まだ大事な広島戦も残っている。今後プレッシャーがかかるところがくる」と2人を最善の状態で送り出したい考え。有事に備え、前日に先発した今村をブルペン待機させた。クローザー不在の状況に、打線も3回まで7点を奪う先制攻撃で強力援護。身も心も休ませながら、貴重な白星をつかんだ。【前田祐輔】