ロッテ種市篤暉投手は試合後、悔しさをあらわにした。

「もっとまっすぐを信頼して投げればよかったと思います」。1点リードの7回1死で木村に対し、カウント2-2と追い込んでからの5球目。決めに行ったスライダーを左翼席へ運ばれ同点とされた。「(スライダーを)右打者に使いすぎた。右にはスライダーしか投げてないと向こうはわかっていたと思う」と肩を落とした。

7回7安打2失点。毎回の12三振を奪った。初回先頭の秋山に対して全球直球で3球三振を奪うなど、自慢の直球はこの日も健在だった。2巡目に入る3回からは「スライダーでの空振り率が高かったので」と決め球にスライダーを多投した。2巡目に奪った6つの三振のうち3つはスライダー。残りは直球2、フォーク1。似たような配球になった3巡目にスライダーを狙いすまされ同点弾を許した。

6回までに100球を投じていたが、吉井投手コーチは迷わず7回のマウンドへ送り出した。「種市は先発でこのチームを背負っていかないといけない投手になる。あんなところで代わってたら5、6番手の投手と同じ。1、2番手で投げるなら簡単に乗り越えるようになってほしい」という強いメッセージだった。この壁を乗り越えて、また1つ大きくなる。【久永壮真】