楽天高梨雄平投手(27)が1軍に合流した。岩手での宮古、岩泉での2軍戦に同行しており、前日の試合後に昇格の連絡を受けた。

岩泉から盛岡までタクシーで向かい、新幹線で仙台へ。「お久しぶりです。体重も2キロくらい減って、タクシー代2万5000円かけて戻ってきました」と笑わせた。

急性虫垂炎のため、7月8日に仙台市内の病院で腹腔(ふくくう)鏡下虫垂切除術を受けた。当時の状況を赤裸々に語る。山形での試合前にアップを始めようとしたところ「ただ事じゃない痛み」を覚えた。すぐに山形からタクシーで仙台市内の病院へ。「支払いの勘定をしている余裕もなくて、運転手の方には『山形に戻って球団からお金を受け取って下さい』とお願いして…」と振り返る

すぐに内視鏡手術を受け、2日で退院できたが、ブルペン入りも見えてきた7月下旬に「お腹にうみがたまって」1週間ほどの再入院を余儀なくされた。退院後に程なく投球練習を再開し、7日のイースタン・リーグDeNA戦で実戦復帰。翌日には即連投テストもこなした。11日の3試合目の登板を経て、1軍に戻ってきた。

左殺しのスペシャリストとして、離脱前の時点でリーグ3位の38試合に投げ、2年連続の70試合登板も視野に入っていたが、残り40試合を切った段階で1軍復帰。「70試合は厳しくなったけど、チームに1つでも貢献できるようにやっていきます」と誓った後で「皆さんも、お腹が痛くなった時はすぐに病院に行きましょう」と笑顔で呼び掛けた。