日本ハムのニック・マルティネス投手(29)が、復帰登板で万全をアピールした。15日のイースタン・リーグ楽天戦(鎌ケ谷)で戦列復帰。1回を3者凡退、最速149キロをマークした。開幕へ向けて調整していた3月20日の2軍ヤクルト戦で右前腕屈筋を損傷して以来、約5カ月ぶりのマウンドで好投。患部の状態が良好なら、次回は21日のイースタン・リーグ巨人戦(東京ドーム)で登板し、1軍復帰を目指していく。

待望のマウンドで、高ぶる思いをぶつけた。マルティネスが、約5カ月ぶりの実戦に登板。初回、楽天の先頭・小郷への初球、低めの直球148キロで空振りを奪い、幕を開けた。「自分的にも興奮していたよ」。右腕の故障からの復帰登板で、アドレナリン全開。1回を打者3人、1奪三振、無安打無失点。最速149キロと、試運転ながら惜しみなく全力投球した。

不安はまったく感じさせなかった。球数11球、わずか4分で予定の1イニングを終え降板した。「本当は全員から三振を取りたかったよ」と冗談めかすほど、感触十分。「自分の体と相談しながら、なるべく早く(1軍に)帰りたい」と、必死にはやる気持ちを抑えた。

開幕直前のアクシデントから、着実に前進してきた。3月20日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦の登板中に右腕を痛め「右前腕屈筋損傷(1度)」と診断された。開幕直後の4月6日には、リハビリの拠点を母国米国に置くため一時帰国。精密検査などを受け、心身での不安解消を図った。5月7日に再来日後は、1軍練習にも合流しながら状態を上げてきた。

栗山監督は「のどから手が出るほど投げてほしいんだけど、あとは本人がどうするか待っているだけ」と首を長くする。次回は21日のイースタン・リーグ巨人戦(東京ドーム)の予定。マルティネスは「僕が戻らないといけない。少しでもチームに貢献出来るようにしたい」と覚悟をにじませ、表舞台を目指す。【田中彩友美】