ヤクルトのデービット・ブキャナン投手(30)が暴走した。3回、先頭打者で打席に立つと投手山口からセーフティーバント。一塁側に転がし、一塁を駆け抜けて内野安打とした。しかし、バントの際に右手を痛めた模様でトレーナーがベンチから駆けだし、塁上で状態を確認した。

無死一塁となった後に、続く太田が左中間へと二塁打を放つ。ブキャナンは一塁から二塁を蹴り、三塁へ向かう。三塁コーチャーの河田外野守備走塁コーチが三塁でストップの指示を大きくしたが、ブキャナンは無視。スピードを緩めることなく、三塁を蹴って本塁に突入した。豪快なスライディングで生還したものの、ベンチ内の小川監督らの表情は硬かった。

その後ベンチで迎えられ、仲間からハイタッチを求められた際は右手を痛めたためか全て左手で対応。続く4回のマウンドに上がることなく、2番手大下が送り出された。打撃と走塁で観客を沸かせたが、肝心の投球は3回5安打3失点で試合を作れなかった。

小川淳司監督は「(降板は)しょうがないです。アクシデントだから。彼はああいうところが良さであり、欠点でもある。そこをどうこうというのはない。彼は点を取られて、必死にやったということ。サードコーチャーを振り切って、行っちゃった。そこをどうこう言ってもしょうがない」と振り返った。

試合後、球団は右手中指の打撲と発表した。